2026年8月28日、中日ドラゴンズは横浜スタジアムで横浜DeNAベイスターズと対戦し、2-4で逆転負けを喫しました。
中日は4回に花田旭のホームランで先制。6回には石川昂弥の犠牲フライで追加点を奪い、2-0とリードします。
そして先発の髙橋宏斗は7回までDeNA打線をノーヒットに抑える圧巻のピッチング。
試合は完全に中日ペースに見えました。
しかし、勝敗を大きく左右したのが「8回の攻防」です。
8回表、中日は1アウト一、三塁という絶好の追加点機を作りながら無得点。
その裏、髙橋宏斗がこの日初めての安打を許して降板すると、DeNAに一挙4点を奪われ、試合をひっくり返されました。
この記事では試合結果だけでなく、
「8回表に3点目を取り切れなかったこと」
そして、
「8回裏、どこで継投するべきだったのか」
という2つのポイントにも注目して試合を振り返ります。
DeNA 4-2 中日
中日 2得点・8安打・0失策
DeNA 4得点・4安打・0失策
勝:馬場皐輔
負:吉田聖弥
S:レイノルズ
球場:横浜スタジアム
中日 2-4 DeNA
中日は8安打を放った一方、DeNAは4安打。
ヒット数では中日が上回りながら、得点ではDeNAが上回る結果となりました。
4回表|花田旭のホームランで中日が先制
両チーム無得点で迎えた4回表。
2アウト走者なしから、花田旭がホームランを放ち、中日が1-0と先制します。
投手戦となっていた試合で飛び出した貴重な一発。
この日の花田は、打線の中で大きな存在感を見せました。
しかし、この花田には試合終盤にもう一度、大きな場面が回ってきます。
6回表|石川昂弥の犠牲フライで2点目
6回表、中日は無死満塁という絶好のチャンスを作ります。
ここで石川昂弥が犠牲フライ。
三塁走者が生還し、中日が2-0とリードを広げました。
ただ、無死満塁から奪えた得点はこの1点のみ。
もちろん2点目を取ったことは大きいですが、試合終盤の展開を考えると、ここでもう1点、2点と畳みかけたかった攻撃でもありました。
髙橋宏斗が圧巻!7回までノーヒット
この日の中日で最も目立ったのは、先発の髙橋宏斗でした。
DeNA打線を相手に素晴らしいピッチングを披露し、7回終了までノーヒット。
中日が2-0のリードを保ったまま終盤を迎えられた最大の要因でした。
7回終了時点では、
「このまま髙橋宏斗が最後まで行くのでは?」
と期待したファンも多かったのではないでしょうか。
ところが8回。
この試合の流れが大きく変わります。
8回表|1アウト一、三塁。欲しかった「3点目」
8回裏の逆転劇を振り返るうえで、個人的に非常に重要だったと考えているのが、その直前の8回表の攻撃です。
中日は2-0とリードした状況で、1アウト一、三塁。
絶好の追加点機を作ります。
打席には、この日先制ホームランを放っている花田旭。
ここはヒットでなくてもいい。
外野フライでも、ゴロでも、何とかバットに当てて三塁走者を還したい場面でした。
しかし結果は、3球三振。
中日は大きな追加点のチャンスを逃します。
2点リードと3点リードでは意味が違う
結果だけを見れば「1点」です。
しかし、試合終盤の1点には大きな意味があります。
2-0で8回裏を迎えるのか。
それとも、3-0で8回裏を迎えるのか。
この違いは小さくありません。
筆者の視点
2点差であれば、走者をためて長打が出れば一気に同点が見えてきます。
一方、3点差ならDeNAは最低でも3点を取らなければ追いつけません。
DeNA側の攻撃の選択肢も、中日側の継投や守り方も変わっていた可能性があります。
もちろん、花田はこの日ホームランを放っています。
その活躍を否定するものではありません。
それでも試合を勝ち切るという意味では、最低限でもバットに当てて3点目を奪いたかった打席だったと感じました。
そして、その直後でした。
8回裏|髙橋宏斗がこの日初めてのヒットを許す
2-0のまま迎えた8回裏。
ここまでDeNA打線をノーヒットに抑えていた髙橋宏斗でしたが、先頭の佐野恵太にこの日初めてのヒットを許します。
ここで中日は髙橋宏斗を降板させ、吉田聖弥へ継投。
まだ中日が2点をリードしている状況です。
そして打席には蝦名達夫。
個人的には、ここがこの試合におけるもう一つの大きな分岐点だったと考えています。
筆者が考える勝負の分岐点|吉田聖弥vs蝦名達夫
私がこの試合を見ていて、
筆者の視点
「ここで動いてもよかったのではないか」
と感じたのが、吉田が蝦名を迎えた場面です。
個人的には、ここで森博人へ交代する選択肢があったのではないかと考えています。
実際には吉田が続投。
そして蝦名にレフト前ヒットを許し、走者をためる結果となりました。
これで、無死一塁から無死一、二塁。
DeNAにとって、一気に攻めやすい状況になります。
蝦名のところで右ピッチャー(森)への継投は考えられなかったのか
もちろん、
「森博人に代えていれば絶対に抑えられた」
とは言えません。
ベンチには投手のコンディションや相性、ブルペンの準備状況など、外から見ているだけでは分からない情報もあります。
それを踏まえたうえでも、この場面では走者をこれ以上ためないことが非常に重要だったのではないでしょうか。
7回までノーヒットだったDeNAに、8回先頭で初めてヒットが出た。
ここで球場の空気も変わり始めます。
それでもまだ、2点リード・無死一塁。
十分に流れを切れる状況でした。
だからこそ私は、
「蝦名を迎えたところで森博人を投入して勝負する」
という継投も見てみたかったです。
結果的に蝦名のレフト前ヒットで走者がたまり、中日は徐々に苦しい状況へ追い込まれていきました。
8回裏|DeNAの流れを止められず
蝦名のヒットで無死一、二塁。
そこからDeNAは送りバントなどでチャンスを広げていきます。
中日も継投でなんとか流れを断ち切ろうとしますが、DeNA打線の勢いを完全に止めることはできませんでした。
7回までノーヒットだった相手に、8回だけで試合の主導権を握られる展開となります。
8回裏|度会が同点、牧が逆転
2アウト満塁から、度会隆輝がタイムリーヒット。
走者2人が生還し、中日2-2DeNA。
ついに同点に追いつかれます。
さらにDeNAは攻撃の手を緩めません。
続く牧秀悟が2点タイムリーツーベース。
中日2-4DeNA。
7回終了時点で2-0とリードしていた試合が、わずか1イニングで逆転されました。
その後、中日は森博人を投入。
しかし、試合の流れは完全にDeNAへ傾いていました。
打撃面|8安打で2得点。「あと1点」が遠かった
中日はこの試合、8安打を放ちました。
一方のDeNAは4安打。
それでも結果は、中日2-4DeNA。
この数字からも、中日がチャンスを得点につなげ切れなかったことが分かります。
特に大きかったのが、6回の無死満塁と、8回の1アウト一、三塁。
この2つです。
どちらかでも、もう1点を取れていれば試合展開は変わっていた可能性があります。
特に8回表は、その直後にDeNAの反撃が始まっただけに、非常に悔やまれる攻撃となりました。
守備面|大きなミスなく髙橋宏斗を支える
この試合、中日の守備には失策が記録されませんでした。
そのため、今回の敗戦について無理に守備面に原因を求める必要はないでしょう。
むしろ7回まで髙橋宏斗とともにDeNA打線を無得点に抑え、2-0のリードを守っていた点は評価したいところです。
今回の試合では、守備よりも攻撃と継投に大きなポイントがあったと考えます。
今日のドラゴンズMVP|髙橋宏斗
敗戦となりましたが、今日のドラゴンズMVPは髙橋宏斗です。
なんといっても、7回までノーヒット。
8回にこの日初めての安打を許して降板しましたが、中日が終盤までリードできた最大の要因は髙橋宏斗の好投でした。
勝ち星こそ付かなかったものの、先発投手として素晴らしい内容だったと思います。
筆者が考える「2つの勝負の分岐点」
今回の試合には、個人的に2つの大きな分岐点があったと考えています。
① 8回表・1アウト一、三塁
2-0から3-0にできる絶好のチャンス。
しかし花田は3球三振に倒れ、中日は追加点を奪えませんでした。
花田は先制ホームランを放っており、この日の活躍そのものは高く評価したいです。
それでも、この場面に限っていえば、ヒットでなくてもいいからバットに当て、何とか三塁走者を還したかった。
ここで3点目を取れていれば、その裏のDeNAの攻撃も違ったものになっていた可能性があります。
② 8回裏・吉田聖弥vs蝦名達夫
髙橋宏斗が初安打を許した直後。
まだ2-0で中日がリードしていました。
ここで個人的には、森博人へ交代して流れを切る選択肢があったのではないかと思います。
実際には吉田が続投し、蝦名にレフト前ヒットを許して走者がたまりました。
今回の試合では、
「もう1点を取り切れなかった攻撃」
そして、
「走者がたまる前に流れを切れなかった継投」
この2つが非常に重要なポイントだったのではないでしょうか。
試合総評|勝ち切るための「あと一つ」が足りなかった
結果だけを見れば、
「中日の救援陣が8回に4点を奪われて逆転負け」
となります。
しかし、試合全体を見ると、それだけではないと思います。
髙橋宏斗が7回までノーヒット。
花田のホームランで先制。
石川昂弥の犠牲フライで追加点。
中日はしっかりと勝てる展開を作っていました。
それでも勝ち切れなかった。
その大きな理由が、8回表と8回裏にあった「あと一つ」だったように感じます。
8回表。
1アウト一、三塁から3点目を奪えていたら。
8回裏。
蝦名を迎えたところで森博人に交代していたら。
もちろん、どちらを選択していても勝てた保証はありません。
だからこそ野球は難しい。
ただ、結果だけではなく、「どこに別の選択肢があったのか」を考えることも、試合を振り返る面白さの一つだと思います。
中日にとっては非常に悔しい2-4の逆転負け。
髙橋宏斗の素晴らしい投球を勝利につなげるためにも、こうした接戦で「あと1点を取る」「あと1人を抑える」ことが重要になってきそうです。
